松原農園便り
 
 

 ワインを強く意識したのは、24才の時、学生時代から親しんだ山小屋で。みんなで昼飯にパンを食べた時に一升瓶のワイン(その頃ちょっとしたブームだった)を一本開けたら、半分は女性の6〜7人で、あっという間に空になった。他の酒類ではこれはあり得ない。酒宴にならず、楽しめる酒。食事に溶け込める酒。この時の風景は今も焼き付いている。

 広島のメーカーで日本酒やチューハイを手がけながらちょっとメーカー勤めにマンネリを感じていた頃、出張ついでに訪れた北海道・小樽のワインメーカー。「私たちは百姓なんですよ」という社長の言葉が胸に焼き付き、その晩、妻に北海道行きを相談しました。「いいわよ」の一言。わが家の運命が決まった日です。

 松原農園のワインは、私のお酒の飲み方がベースにあります。家族と普通に食事をしながら、何でも飲みます。お酒だけのための晩酌は、ほとんどしません。外で飲む事もめったにありません。それだけに、食事のじゃまをせず、脇役として目立ちすぎない、優しい味わいのワインを求めていました。しっかりした個性がありながら、出しゃばらないワインです。

 畑仕事は正直辛い事も多いですが、日々結果があらわれてその日の成果に満足すれば、こんなに夕飯がうまい仕事も有りません。なかなか満足のいく百姓にはなれないのですが、出来る事を積み重ねていく、そんな毎日を過ごしていきたいと思っています。

 今、自分の工場を持つことが出来て、ワインブームのさなかでこれからの生き方を考えています。できれば、この風土を生かし、新しい造り手の活躍の場を用意する手伝いができたら…と思う毎日です。。

 


ここに来るまで




 昭和34年福岡県小倉生まれ、広島育ちである。地元広島大学で発酵工学を学び酒造会社に勤務した後、昭和61年に小樽市の北海道ワイン(株)に転職。

 その後葡萄栽培とワイン醸造にあたり平成5年よりニセコ山麓、蘭越町の上里地区・森の中の開拓跡地に入植し、ワイン専用葡萄を用いた日本人に適したワインの一環生産を目指して、葡萄栽培を開始しました。

 お得意様に出資を募り、「口コミ・ファウンディング」で2014年より自社工場を開始。原料からの一貫体制で今までと変わらぬワインを生産しています。



家   族




妻:展与とは大学時代からの縁。3人娘(今は外暮らし)との5人家族。犬1匹。













 

園主 松原 研二   私がワインを造る理由

会社概要

  合同会社 松原農園

  〒048-1313 北海道磯谷郡蘭越町上里151-8

・蘭越町原産のワインの販売など

・代表社員 松原研二